るろうに剣心

殺人剣から活人剣へ

明治初期の日本を舞台に、伝説として恐れられるほどの過去を持つ主人公緋村剣心(ひむらけんしん)が、様々な出会いや宿敵たちとの戦いを通じて過去への贖罪やこれからの生き方を見出していくというのがストーリー。

過去に多くの人を手にかけた主人公という少年漫画としては暗い背景を持った主人公が、背負った罪の重さに悩みながらも前に進もうとする姿が印象的な漫画だ。

新時代の幕開けへの希望と、新時代の到来によって逆に苦境に陥った者たちとの対比も描かれている。
新撰組や歴史上の事件など、実際にあった事件もいくつか登場する。

主人公である剣心は温和で平和主義者な人物。
しかしその一方で、明治政府のために数多くの暗殺を請け負っていたという暗い過去を持つ。
そのことを悔いて現在では人を殺さないように誓いを立てている剣心だが、過去の因縁から戦いに巻き込まれてしまう。

悩みながらも戦うことを選ぶ剣心が、最終的には自分の生き方を見出す課程がとても心に響く漫画だ。

祈りだけでは救えない

私がお勧めしたいのは、十本刀の一人である悠久山安慈(ゆうきゅうざんあんじ)と相楽左之助(さがらさのすけ)との戦闘シーンだ。

死んでしまった子供たちのために戦うと言う安慈と、その子供のためにもこんな戦いをするべきではないと語りかける左之助の戦いは盛り上がる。

最終的には技を教えた方が教わった方に負けるという展開も王道だけれど良い。
ただ、このシーンを盛り上げている原因は直前に入る安慈の回想シーンにあると思う。

元々安慈は戦いとは無縁な青年だったのだが、欲に目がくらんだ尊重によって寺を焼かれてしまうという過去を持つ。
その時に何よりも大切に思っていた孤児たちが火事に巻き込まれて死んでしまったことで、祈るだけでは人を救うことはできないと考えを一変させるのだ。
これを見てもわかるように安慈は他の多くの敵と違って決して悪人ではない。

何年も修行を続けてあそこまで強くなった安慈のことを思うとなんとも言えない気持ちになる。

敵側の理由

この漫画は多くの敵が、良い悪いはともかく、明確な理由を持って主人公である剣心たちに戦いを挑んでくる。

明治政府転覆が理由だったり復讐することが理由だったり、単純に強者だからなど色々だ。
そういった一つ一つの理由の背景となるキャラクターの過去のエピソードや心理描写を描くのがこの漫画はとても上手いと思う。
だから敵であっても人気の高いキャラが多いのではないかと思う。

しかも、味方も完全に強者として描かれているわけではない。
主人公の剣心も全ての戦いに勝つわけではないし、一時は完全に塞ぎこんでしまう時もある。

それでも悩み、葛藤しながら自分なりの答えを見つけて前に進んでいくというのがこの漫画の一番の見所ではないかと思う。

剣客ものが好きな人、バトル漫画が好きな人だけでなく、女性にもお勧めできる漫画だ。

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