3×3 EYES

人間になることを目指す妖怪の物語

三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)という三つ目の妖怪であるパイという少女と、ひょんなことからその少女と一心同体である不死身の存在、无(ウー)になった藤井八雲が、共に人間になることを目指して冒険する物語。
中国やインドの神話関連の用語が多数登場するアジアンファンタジーでとても新鮮に感じた。
特にインド神話関連の用語がたくさん出てくるのでそれらに詳しい人ならよりこの漫画を楽しめるだろう。

かなりの長編漫画で、現在でも不定期に続編が出ている息の長い漫画でもある。

主人公であるパイと八雲は、それぞれ最初の頃はそれほど力のある存在ではない。
特に八雲はただの高校生で、本当に素人。

そんな彼もパイと一緒に数々の冒険を繰り広げていくことで、ついには強大な存在とも戦えるようになる。

八雲の成長していく姿がとてもまぶしく感じられる漫画だと思う。

偽りの平穏を捨てて歩む勇気

この漫画で私がお勧めしたいのは第二部の序盤、八雲が四年ぶりにパイに出会うシーン。

離れ離れになったパイを探し続けた八雲がやっとパイを見つけるが、肝心のパイは記憶を失って女子高生として日常生活を送っている。

そんな中妖魔がパイに襲い掛かり、それを八雲とパイが本来持つ妖怪の力で撃退する。
その後、自分が普通の人間ではないということを知るパイの衝撃はすさまじいものだったと思う。

もともとパイは人間になりたくて八雲と旅をしていて、普通の女子高生として生活している現在はいわば夢が半分叶ったようなものでもある。

しかし、それは三只眼吽迦羅という力ある妖怪であるパイには許されない平穏でもあったのだと思う。

八雲にしても、幸せそうに生活するパイを再び冒険の世界に呼び戻すことに葛藤があったと思う。
できることならこのまま八雲も一緒に日常生活を送ってくれたらと思わず考えてしまった。

何度失敗してもくじけぬ心

この漫画はパイと八雲による二人の物語なのだが、特に注目したいのが主人公である八雲の頑張りだ。

八雲は三只眼吽迦羅の力によって不死身の存在である无になるが、それによって強くなったわけではない。

元々がただの高校生だった八雲は、普通の人間と同じことしかできなかった。
そんな八雲だから何度と無く死にかける。

しかし、八雲は何度死にかけても諦めない。

不死身だからこそできる思い切りの良さと、必死な努力によって人外の存在の中でも強敵であるベナレスとも戦えるようになっていく。
普通の高校生だったからこそ、その成長ぶりが感動を誘う。
西洋ファンタジーに食傷気味の人や、壮大な冒険ファンタジーが好きな人ならぜひ読んでみて欲しいと思う。

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