勇午
規格外な交渉人による事件解決ストーリー
フリーの交渉人である主人公別府勇午が、国際問題や歴史問題、文化の違いなど様々な問題が絡んだ複雑な事件をその巧みな手腕によって解決していく物語。
主人公の勇午は、頭脳明晰で判断力や決断力もあるいわゆるスーパーマンタイプの主人公だ。
しかし、そんなスーパーマンタイプの主人公でないと解決できないと思われるほど難しい依頼ばかりが舞い込んでくる。
そんな依頼を次々と解決していくところがこの漫画の見所だとも言える。
この漫画の優れている点は、非常に丁寧な海外描写だ。
ただの物語の背景としてではなく、なぜこのような事件が起こったのか。
そして解決がどうして困難なのかということが、その国の文化や習慣、国際情勢などを基に描かれているために非常に読み応えがある。
シリアスで緊迫感のある漫画を求めているならばぜひ読んでみて欲しい漫画だ。
救いなどないシビアさ
私がお勧めしたいのはパリ編。
主人公の勇午がパレスチナ側から依頼を受けて活動する中で、イスラエルからの妨害を受けるという話。
執拗なまでのイスラエルによるパレスチナへの攻撃でパレスチナ側がボロボロになる中、少年が語ったシーンだ。
なぜ、過去に虐げられたイスラエルが僕たちに同じことをするのかというセリフは、国際問題のやるせなさを表していると思う。
この話のシビアな点は、この少年の発言も正しいけれども、イスラエルの言い分もわかるという点だ。
イスラエルにしてみれば、自爆テロを行うパレスチナを許すことはできない。
子供を殺したいなんて思わないが、その子供が大人によって自爆テロを行う道具となっているなら、テロを行う前に止めなければならない。
どちらにも言い分があり、だからこそ国際問題というのは厄介なのだということが良くわかる話だった。
拷問にも負けない精神的強さ
この漫画の主人公勇午は、何かとピンチに陥ることがある。
一回はなんだかんだで敵の手に落ちてしまい、拷問されるようなシーンが毎回出てくる。
そのシーンがこれまた酷い内容なのだが、そんな絶体絶命の状況を潜り抜ける強さを勇午は持っている。
ここら辺は漫画のご都合主義を感じるが、これぐらいのご都合主義がなければこの漫画は本当にやるせない、読むのが辛い漫画になっていただろうと思う。
扱っているテーマが重く、シリアスなのがこの漫画の魅力でもあると思う。
毎回扱っているテーマは違うが、そのテーマについて非常によく調べられていて、読んでいてすごく楽しい。
その国の宗教観からくる独特な考え方や制度など、日本に居るだけではわからないようなことがたくさん登場するからだ。
海外や国際問題など、ちょっと知的な話題をシリアスに読みたいと思う人はぜひ一度読んでみて欲しい。
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